お店を始めて間も無く３ヶ月が経つ。毎朝到着する度に我ながら「派手な店だな〜」って思う。ARCDは店舗も商品も派手だから世界観としてはかなりアクが強くなる。日々接客する中お客様にもっと普通に着れるアイテムないですか？と言われる始末。僕と言う人間はインスタでも日々コーディネートをアップしているが、あんな感じで一般的に言う”派手”な格好をリアルにしている人。もはやそう言う格好をする事に免疫がついてしまったのか、、、息を吸うのと同じ様にこの状態が普通になった。その結果、まるで自身自身を投影したかの様なアヴァンギャルドなお店になったが、お客様にとってこの店が必要としてもらわなければ派手であろうが意味がないのも事実である。

しかし僕は皆の期待を全力で裏切ってはいない。何故なら"ちょうどいい"アイテムを見つけてきたからだ。

それがこのCOPANO86のサファリジャケット。ツラはとてもベーシックだが、”超”上質な生地を使っている。それはタスマニアウールと呼ばれるオーストラリア東南にあるタスマニア島で飼育されたメリノ種から採れる、細くて柔らかい高密度なウール素材。更にカシミアを混紡したことでスベスベのタッチ感を表現している。写真では伝わらない上質な滑らかさと肉感は店頭で手にとって是非感じて欲しい。

冒頭でもお伝えした通り僕は割とアヴァンギャルドな服を好んで着る。

しかしこのサファリジャケットに初めて展示会で見た時、強烈に惹かれた。ハンガーにかかっていたその佇まいは非常に美しく、安易にコーディネートがいくつも想像出来たからだ。重厚感と高級感を兼ね備えたその服の背景には、アメリカの老舗ブランドWills＆Geigerの”ホワイトハンター”をデザインベースにし制作された経緯がある。従来のサファリジャケットの形をCOPANO86により昇華させ、まるで上流階級の探検家が着用していたかのような、美しいシルエットに仕上がった。

最近巷のブランドではミリタリーやユニフォームで従来必要としていた機能やディテールが余儀なく排除されたデザインが量産されている。

もちろん時代に応じて変化する事は分かるが、何もかもミニマルにされても寂しいものである。街が再建しその背景に情緒が無くなるのと似た感覚。

しかしCOPANO86は時代に抗うかの如くヴィンテージの衣類のディテールの意匠を受け継いでいる。

このジャケットも然り、マチ付きのバイカーズポケットをフロントに５個配置した。正直多すぎるだろうか。でも仮にこの数のポケットがなかったと想定したらこのジャケットに自分は魅了されただろうか。見事このポケットがチャームポイントの一つになっている。

バックにはアクションプリーツを。更に襟裏にはフードを備えており黄色のフーディーが出てくる。天候にも応えるリアルなフィールドジャケットとしても活用していただける。

首元を全て覆う襟の高さ。防寒対策にもしっかり対策を打つことができる。しかも２重にメルトンを使用しているから正面からの風もシャットアウト。ニットとこれだけ着ていれば、ある程度の気候には対応してくれるはずだ。丈の長さも絶妙で１７６cmの自分でLサイズを着用しお尻が隠れる位。例えばバイクや自転車に乗る時もこれなら条件を満たしてくれるだろうし、車の運転も不自由にならない。このジャケットは現代の生活においてパーフェクトではないだろうか。

裏地にはロイヤルネイビーをイメージした黄色のライニングを採用。味のあるコットンタイプライターの生地は使い込むほどに生地の変化を楽しむことができる。ウィークポイントとしては裏地の滑りはあまり良くないが、その不自由さも愛おしくなるから不思議。

腰回りを調整できるドローコードつき。ご自由に調整してお使いください。

昨日紹介したRANDYのパンツと。パンツの派手さと対比していい感じ。でもこれだけシンプルで上品なジャケット。別に何にも考えなくてもいいと思います。クラシックな格好にも、モードな格好にもすんなり溶け込んでくれるでしょう。ちなみにスーツでお仕事している方にもオススメです。トレンチとかチェスターコートだと少し重いのかな？と疑問に思い始めたらこちらがいいと思います。

サイズ４４ですとレディースにもオススメです。女性のサファリジャケットも力強くてかっこいい。