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2022/11/17 20:19


毎度小出しにしますが、今ユニクロでもカシミアのニットが買えます。そしてARCDでもカシミアのニットが買えます。ARCDでは8万くらい、ユニクロでは1万円くらい。さてこの差は何なんでしょうか。

僕のお客様は物を熟知されている方が多く、その”差”についてよくご存知の方が多いので、聞き流していただければと思いますが、カシミアのニットにどうしてこんな価格差が開くのか理解出来ない方が多いのではないでしょうか。



HAVERSACK/

(Cashmere 100%)
Size:0,M,L
¥85,800(tax including)



良いものを適正のプライスで提供するブランド”HAVERSACK”さんから超高級ニットが到着。素材の高騰もありますが、当ブランドからこの価格のニットを出すのは珍しい気がします。



カシミアとは山羊科の一種「カシミア山羊」の柔毛(産毛)の事を指します。

なぜカシミアは高価なのか。それは単純に「希少」だからです。一頭に対して取れる量がとても少なく150g〜250gと言われています。なのでカシミアのニットを1枚作るのに山羊が3〜4頭が必要となります。

更にカシミアには元々の個体の毛色からホワイトカシミア、ブラウンカシミア、グレーカシミア、の3種類があります。加工や染色がしやすい意味でホワイトカシミアが一般的に人気ですが、実質的にはブラウンカシミアが最高級と言われています。
また繊維の細さ、繊維の長さ、異物の混入率などの3つの項目からランク付けされており、その品質の差を特級〜9級まで階級に分けられます。もちろん特級が1番良く、下がるにつれランクダウンします。

ちなみに「特級」のカシミアは欧州でもスコットランド、イングランド北部、イタリア北部でしか採れない超希少品のためその流通も限られており。貴族や上流層用にしかないそうなので、僕らの市場に回ることはないそうです。僕らが目にする最高級のカシミアは、モンゴルや中国産の1級からとなるそうです。

しかしここで問題なのが1級でも「カシミア」、9級でも「カシミア」なので、我々素人には差が全くわからない点です。
例えるならホワイトカシミアが高級ワインだったとしたら、9級は酒屋の500円ワインって感じで、ワインに例えても我々にはその差が全くわかりません。

そこでカシミアに判断に必要になるのが、「階級」と「量」(※簡単に言うと重さ)になります。我々アパレル業界では「目付け」と言われるもので、編み目がどのくらい詰まっているかというものです。

つまりユニクロさんで言えば、あのニットは9級のカシミアをスカスカに編んでいるので安価が実現できるってこと。更にそのカシミアも純度100%かは怪しいもので昨今ではウールも混紡されているケースもあると聞きます。


HAVERSACKのカシミアニットは7Gのカシミアを使用。表情をつける為にダイア柄の編み込みにしたのが特徴的。目付けはとても細い編地で、その重厚感は他と一線を画きます。素材はモンゴル産のカシミアを使用。


繊維の細さ、ツヤ、独特のヌメりなど触った時のタッチ感で違いを感じていただけるはずです。ランクに関しては業界で表記義務がないためはっきりとした表記はありませんが、実際触ったらその違いが感じ取れるはずです。



ヴィンテージニットの如くリブは長め。裾、袖先のリブの配色を変えポップな印象を与えています。またミドルゲージで中肉の厚さとなるので、ジャケットやコートと重ねた時に程よいゆとりが残るので着心地も非常に良く、サイズもやや大きめで首周りを含め全体に窮屈さはありません。
リブがそれぞれ見る位置から色が変わって見えるのがとてもユニーク。1枚で着ても存在感があります。





トップスを着せたらこんな感じ。ネイビーブレザーに色のパレッドが加わり華やかな印象になります。
















素材が良いだけではなく縫製技術や編地の模様の細やかさ、染色など幾度と重なる工程の中に他との違いが生まれます。

同じようなアイテムで安い方がいいのは納得できますが、明らかにクオリティーに差があるのは同じ土俵とはなりません。

このカシミアニットも然り。HAVERSACKで作る8万円のニットは一般的には10万円を超えるクオリティーを持っていますが、たゆまない企業努力でこの価格で抑えられています。

是非試着しにいらしてください。そして何が違うか”体感”して下さい。



ARCD  嵐田

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