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2023/02/04 17:35




個人インスタではその胸の内をお伝えしましたが、とにかくこのブランドを取り扱いたい為に、独立したと言っても過言ではないくらい、CLASSの熱狂ファンである自分。

遂に「CLASS」がARCDでデビューを飾りました。

「好きなものしか作らない」
その言葉の通り、商業的な匂いを全く感じさせず、トレンドであろうが、なかろうが、今の自分にフィットして着たいものを作る。

アヴァンギャルド性と職人気質的技法が融合した密度の濃いコレクションを継続し、独自のオリジナリティーを放ち続ける日本のブランドです。

デザイナーは堀切道行氏。

「恒久的なアイテムをアヴァンギャルドに、アヴァンギャルドなアイテムをリアルクロージングに」

クラシックな洋服から、出どころの分からないストリートな分野まで、様々な引き出しからその洋服が作られる。

時代に媚びないその物作りは、僕ら洋服好きの心を強く惹きつけます。

コレクション発表時にはドキドキしながら「今年はどんなやばいアイテムが来るんだろう」と期待してしまう。

いざコレクションが発表されると、エッジの効いた挑発的な服に驚かされ、そして悩む。

「これどうやって着るんだ?」と。

その答えはずっと分からないまま数年経つ場合もあるし、数年後にやっとその答えを発見できたりもする。

しかしその時点でCLASSはまた別次元の提案をしてくる。

追いかけても、追いかけても、追いつけない。

常に突き放される。

そんな感覚。







2023SSのテーマは「反観合一」

「反のうちに合一を知る」と言う、物の本質を正しく捉える方法であり、相反するものがあるときに、一方を切り捨てるのではなく、反したままで1つに合している関係そのままに観る。一方がなければ、他方が成り立たない相互浸透的な関係であると言うこと。

CLASSではコレクションごとにこう言った、服とは違った思想とか概念からテーマがスタートする。



その「反観合一」のテーマによって出来上がったやばいジャケット。

本来自分が知っているジャケットとは違う。

「未来型ジャケット」。

また次元の違う事をしてきた。

またしても、どうやって着るんだ?と悩む。。。




ーPOOL BY CLASSー
Size 2
¥198,000 (tax including )


CLASSではお馴染みの素材、東レの「ウルトラスエード」すなわち「人工皮革」を使用。

それを3重構造にしてボンディングで形成、3枚構造が表からも分かる様にブルーとホワイト、グレーの3枚の生地が重なり合っているのが見えるでしょうか。

ウルトラスエードとはポリエステルとポリウレタンで構成された超極細繊維が束上になって緻密に絡み合った天然スエードと同じ様な構造の人工皮革。70年代に東レが最先端のテクノロジーを駆使して開発した革新的な素材、良く高級車の内装でも使用されており、天然皮革の約半分の軽さで、かなり丈夫、そして洗濯が可能という特性を持ち合わせ、通気性にも優れ、シワになりずらく型崩れもしないと言う優れた生地。


更にスエードを重ねた事で、尋常ではない程「固い」洋服に仕上がった今作。





もはやこの服には意味とか機能性(着心地)とかを考えてはいけない気がする。

このジャケットの意味する事は唯一ジャケットの持つポテンシャルを広げたこと、そして世の中の非常識を「常識」に変えてしまったこと。

ラペルにはもはや「穴」があいている。正確には「切り込み」

そしてその穴は着用することで、角度によって開閉し動きをもたらす。

袖まで3枚構造になった袖は当然、ガチガチで肘を曲げるのすら困難。



唯一の機能として、パチポケットがフロントに。
イングリッシュドレープさながらの、ウエストの絞りをボンディングで表現。
潔く一直線にフロントからバックまで平面に厚みのあるウルトラスエード。



突起した肩山はコンケープショルショルダーの様なものを表現しているのだろうか。。

丸く半径を描くショルダーライン。

2次元と3次元。所謂、平面と立体を使い分けながら折り紙の様にテーラードジャケットを形成している。




CLASSと言えばステッチの技術にも注目して貰いたい。

それが「ゼロシーム」

このステッチをできるのは日本で1社しかなくとても珍しい縫製。

通常生地を重ね合わせて縫い込むのが一般的であるが、これは生地を突き合わせて縫い合わせ、フラットな状態に仕上げます。

この縫い方は高度な技術が必要とされ、限られた職人しか縫い合わせる事が出来ません。

縫い目が平面となることで厚みが全く出ず、着心地の良さへの影響はもちろん、洋服の見た目も洗練されます。


更にそのステッチを利用してフロントのダーツも表現。裏側はグレー、表のブルーとのコントラストが非常に綺麗です。



着るのが困難なジャケット。着用側はこのジャケットに身を委ねるだけ。着ると言うよりは身に付けるが正しいか。アクセサリー感覚に近いと思います。

CLASSのアイテムはとても自由であり、不可解なアイテムばかり。

当然、オンラインでいきなり売れるのを期待してないし店頭でも悩む方が続出すると思う。

ではなぜ僕がこのブランドを推すのか。

それは洋服本来の楽しみ方を必要以上に考えなくなってしまった(または忘れてしまった)人達にこそ知って欲しいブランドだから。

大量生産やファストファッションからの呪縛を抜け、目の前にある「困難」に対して立ち向かい、考えて装うことで創意工夫の「個性」が生まれ、人生に華を添える事ができる。

購買動機が「着やすい」とか「合わせやすい」と言う短絡的なキーワードから「エキサイティング」で「好奇心の湧く」ドキドキした世界。僕と一緒にCLASSの服で味わっていただきたいと思っています。

堀切さんは「自由に好きなようにきてください」と展示会で仰っていた。

どんな着方をしても正解でも、不正解でもない。

かっこ良いか、かっこ良くないか、似合うか似合わないかは一旦置いて、この服に袖を通して、じっくり鏡の前で考えて欲しい。

その答えは己の中にしかない。





ARCD  嵐田


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