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2025/06/29 18:39

実は今年の8月で3年を迎えるARCD、前々からずっとやりたかったレディースの服を本格的に取り入れていこうと決心しました。とはいえ私自身は男性なので、女性のトレンドは皆無ですが、「理想の女性像」を想像しながら、たまにアイテムを買い付けして行けたらと思います。


では今回私が女性に着て欲しいと思う「特別」なシャツを紹介していこうかと思います。ちなみにこちら細身の男性にもオススメです。

「特別なシャツ」ってどんな服?


いきなりこの写真だけでは「このシャツ、特別なんです」と言われても困惑してしまいますね。高いもの?レア感?それともデザインが変わっている?


このシャツはどこがどう特別なのか一見わかりづらい華やかさに欠けるシャツ。確かに色味も落ち着いています。


けれど着てみると、、、あれ?ってなるんです。


空気がちょっと変わる感じ。これはいい意味での「抜け感」がこのシャツにあるからなんです。


HANKS

’’Yohryu Wine Shirt''

¥27,000 (¥29,700 )

Size Free

しかし、この抜け感って結構曲者。

人によって抜けすぎたり、「気を抜いてる」だけになってしまってたり。そのさじ加減ってすごく曖昧で小難しい表現でもあるのですが、最終的には「ビックシルエット」に逃げてしまうパターン。たぶん「抜け感」の定義は恐らく何となくフワッとしたものだと思うのです。ゆえにビックシルエットは「意図」がなければ洋服のシルエット、またはその人の持つ美しさを崩す場合が可能性としてあります。

私の思う「抜け感」とは意図的な’’余裕’’や’’隙’’を持たせることでの自然体の魅力を演出するもの。つまり「素材感」や「質感」「雰囲気」の視覚的な「抜け感」を提案したいと思いまして。今回は対極にある「タイトシルエット」で魅せる美しさを共有できたらと思います。

まず注目してほしいのがカッティング。


男性の燕尾服を彷彿させるような、前裾から後ろ裾にかけて湾曲したフロントカット。


このカッティングがもしなければ、そもそもこのシャツの良さを半減している理由になるくらい、このシャツのカッティングが全体の印象を決めています。


だからこのシャツから生まれる自然な「流れ」と「動き」は1枚でも成立してしまう凄さがあるのです。


まるで薄いテールコート(シャツ)を着ている様なニュアンスが生まれ、シンプルながらも「ちょっと他とは違う」感じに仕上がっています。





前立てはクラシカルな意匠を感じるアシメトリーな深い打ち合わせ。そしてボタンにはアンティークのシェルボタンを採用。雰囲気の良さが抜群になります。

生地には「楊柳」を使用。


楊柳(ようりゅう)は綿織り物の一種で、ヨコ糸に「強撚糸(きょうねんし)」を使って布面に「しぼ」を出した織物を「縮ちぢみ」と言い、その中でもタテ方向に「しぼ」を出したものを楊柳と呼びます。 楊柳は柳の葉を重ねたように「しぼ」が見えるので楊柳と呼ばれています。京ちぢみ、綿クレープ、縮みと表現する人もいる)


肌に吸い付くようなピタッと感。シャツの裾、袖部分もあえてカットオフ。

染色はヨーロッパに古くから伝わる「ワイン染め」で長時間生地を漬け込んで完成した独特な色合い。まるで何年も使い古したシャツのような雰囲気がでています。


これはデザイナーが1枚1枚丁寧にハンドで染色をしています。


ウエストベルトの切り返し部分には欧米にて仕入れてきたビンテージの千鳥柄素材が使用。さりげない装飾を加えることで全体の印象を引き締めています。

女性そのものの、身体の美しさをより引き立てるボディーコンシャスなタイトシルエット。

例えばピタッとしたシャツを着たらそこにワイドパンツを持ってくると体型カバーもできバランスをとりやすい。

またタイト×タイトな「I型」ラインに設定した場合、あえてゴツいアクセサリーをなどを取り入れて違和感を出したコーディネートを楽しめたり、足元にボリュームのあるスニーカーなどを持ってきてもいい。


洋服は1枚の布きれではあるけど、それが身体的な存在の可視性を変容させる。


タイトシルエットと言う「束縛感」は内面から変化を促し、新たな自分の可能性を生み出すきっかけになるのかもしれないと私は思います。


この夏はワイン片手にこのシャツと共に過ごしてみてはいかがでしょうか。




嵐田


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